2nd Full Album『woman's』Vocal椎木インタビュー


毎度My Hair is Badのリリースの度に新譜レビューを執筆してくれる、峯岸利恵さん(孤高のフリーライター/三十路手前)。
居酒屋でビール飲みながら話してます?な、肩肘張らないVocal椎木とのメールインタビュー。


———メジャーでは初となるフルアルバム「woman’s」、リリースおめでとうございます!どうですか?評判良いんじゃないですか?

ありがとうございます。どうなんだろう!でもこのアルバムの評判がよくなかったらヤバい。才能なかったってことになっちゃう。

———既存の「My Hair is Bad=女々しい男の恋愛事情」を覆すようなシングル『時代をあつめて』でメジャーデビューを果たした上での今作。
感情経験発想技法…今出せるものを全て出し尽くしたという印象なのですが、気分的にはどうですか?


ツアー リリース インタビュー ラジオ コメント 撮影 書き物 フェス 芝居 諸々の中で よく書ききったよな、、っていうのが正直な気持ちです。単純に旧作に比べて音も凄く良くなってるし 曲や歌詞にも気持ちだけじゃなく ちゃんと今までやってきたこと 身についたテクニックやバランス感覚をしっかり詰め込めたと思っています。


———1曲目から≪いつか死んでしまうんだ≫で終わる「告白」をぶち込む感性は『narimi』(1stフルアルバム)を彷彿とさせますね。始まった瞬間から終末を予感させる辺りに椎木くんの一面を垣間見られる気がするのですが、その辺りはどう思います?

「告白」は猛烈に前向きな曲だと思っています。ネガティヴこそポジティヴなんじゃないかと思っているタチなので 自分自身としてはしっくり来てる。僕自身怖がりだからこそ いつか死んじゃうんだし今やってみれば?と背中押されたいのかな。思い切りのいい男の方がモテるだろうし。


———今作に限らずMy Hair is Badの楽曲全般に言えると思うのだけど、両想いを歌う割には幸福感を歌わないですよね?恋愛の渦中にいるのに一歩手前もしくは一歩先の感情を歌っていて、ラブソングなのにラブソングらしくない達観した感じ。

確かに。僕は君とこのままハッピーエンド♡みたいなのはまだまだ歌えなさそう。その自分に自信がなかったり どこか不安だったりする ひどく心配性な部分が自分らしさでも良さでもあるとも思っているんだけど もしバンドやってなかったら本当にただの女々しいやつだったと思うとゾッとする、、


———追いたい?追われたい?それとも、追い抜きたい?追い抜かれたい?

みんなに追われる中 たった一人を追いかけて その子を振り向かせて 追い抜いて 手を引いて 付き合って 結婚して いつか息子に追い抜かれたい


———マイヘアがバンド活動を続けることを迷う時があるなら、それは椎木くんが結婚する時なんじゃないかと勝手に思っているのだけど、どう思います?(笑)

結婚したらそれはそれでいい曲書くんじゃないかなあ って思っているんだけど それまでにある程度評価されていないと 「〇〇さんの旦那さん 今もバンドなさってて 毎年何曲も○○さんとの曲を書いてるんですって、、す、素敵よね、、」的な 近所の恥ずかしいおじさんになってしまいそうなので頑張ります、、


———アルバムの話に戻しますね。曲順の話でいうと、My Hair is Badの十八番とも言えるリアリティ溢れる恋愛ソング「グッバイ・マイマリー」と「恋人ができたんだ」の間に、別角度からのリアルを歌った「戦争を知らない大人たち」を挟んだセンスに驚かされたのですが、そこには何か意図はあったのでしょうか?

そこの流れ自体にはまったく意味はなくて My Hair is Badの一枚のフルアルバムとしての流れを考えた時に自然にこうなりました。良し悪し抜きにした 僕が自然に決めたバランスです。


———例えば1stミニアルバム『昨日になりたくて』収録の「月に群雲」では慣用表現が多用されているように、最近のMy Hair is Badの楽曲では韻踏みや掛け言葉のような技の効いた言葉遊びが増えてきたように思うのですが、何か参考にしているものや人はいます?「月に群雲」に関しては、当時ことわざ辞典を読んでいたと話していた覚えがあるのだけれど。

なるほど。当時はまだ意識していなかったんだけど「18歳よ」という曲を書いた辺りから 「椎木は韻を踏み方だったり語尾の合わせ方が上手だよね。」とか 意味を抜きにした部分を褒められるようになって まさか俺これが得意なのか?と思っていたら いつのまにか自分の武器になっていました。ことわざ辞典のことよく知ってたね。


———「ワーカーインザダークネス」はそういった面でも異彩を放っているけれど、実際に会社で働いたことのない椎木くんがこのテーマを曲にしようと思ったきっかけはあったのですか?

よくお気づきで!実はこの曲だけ中学校の同級生と歌詞を一緒に書かせてもらいました といっても 東京でもまれる中島綾さんの言葉があまりにリアルで力を感じていて お願いして使わせていただいた という感じなんだけど。 自身 初の作詞共作でもあります。


———ちなみにこのタイトル、映画の『ダンサー・イン・ザ・ダーク』と掛けてたりします?

満員電車で揺られる社会人たちをイメージした曲のタイトルを バッドエンドの代表作と掛けたりすることは あまりに酷だけど そういうことするのが音楽家なんだと思う。


———アルバム全13曲、特に気に入っているフレーズを答えるとしたらどこを挙げます?個人的には「沈黙と陳列 幼少は永遠へ」の≪iPhoneから送信≫という締め方の斬新さに「これはやられた」とゾクっとしましたが。

気に入らない部分は覚えているのに 聴けば聴くほど特に気に入ってた部分って忘れちゃうんだよね。沈黙〜の締めは いつも歌詞をメールの下書きに書いてて なかなか思い付かなくて悩んでいたら 勝手に下に出てきちゃっていたのが iPhoneから送信 で。それをメジャーの方が勘違いして「またいい歌詞書くね〜。」みたいなこと言ってくれて 知らん顔して頂いたという、、


———「沈黙と陳列 幼少は永遠へ」は、「戦争を知らない大人たち」で覚醒したものがより洗練されているという印象で、バンドのターニングポイントにすらなりうるのではないかと思いました。タイトルも叙情的ですが、この曲が出来上がるには時間かかりました?

全然。すぐ出来ました。こういうの作るのは 得意 というか 楽かもしれないな とすら思いました。たぶん 今の若い子とかには届きにくい曲だと思うし 、、 いや りえさんがおばさんだと言ってるわけじゃなくて、、


———「真赤」の≪ブラジャーのホック≫だったり「告白」の≪一生痛いくらい酷い恋したい≫だったり、一行目の美学を強く感じるのですが、そこにポリシーはあります?

僕 試聴機とかYouTubeとか 序盤でピンと来なかったらすぐ止めちゃうんですよ。作り手として 最後まで聴いてもらいたい気持ちもあるから 大切にしています。


———ラストチューン「また来年になっても」では、言い聞かせるように《もう少しだけ 頑張ってみる》と歌っているけれど、今現在ここまで行きたい!という目標はあります?会場や動員数、もしくは自分自身のことでもいいので、どうにかして越えたいものとか。

いい曲作って いいライブしてたら ちゃんとチャンスが回ってくる それを今年実感できたので 目の前に出てきた好機はちゃんと活かしたいって強く思っています。野望はなんだろう。彼女とディズニー行って ミラコスタのスイートとかに泊まりたいです。


———前に椎木くんが「自分にはオンオフがあると思っていたけれど、結局全部同じだと言われた」という旨の話をしていたけれど、それに気付かされてから変化はありました?

過ごしやすくなりました。でも やっぱりオンオフはあるのに。裏の怖い椎木がいるのに。


———ライブの時の椎木くんは確かに攻め気味だと思うけれど、普段話すときは「つべこべ言わずに服を脱げ!」なんて絶対言えなさそうだと思うから少なくとも二面はあると思うのだけど、作詞している時はどんなモードなんですか?また違った自分がいるの?

う〜ん。女の人に「つべこべ言わずに服を脱げ!」だなんて口が裂けても言えない!ていうかそんなことデリヘル嬢にだって思ったこともないよ!本当に!強い曲を作ろうと思ってる時には自然に強気になってその椎木が作品を書いてるだけ かな。作詞してる時は 超たった一人モード。あれを孤独と呼ぶんだろうね。


———最後に、今、恋してます?

してない!出会いたい!


———ありがとうございました!次は飲み屋で話しましょう!

こちらこそありがとうございました。
是非!椎木と真剣に付き合えそうな子連れて来て下さい!


2016年10月某日

  • TITLE
    AIMYON vs TOUR 2019 “ラブ・コール ”
  • DATE
    2019.05.31[Fri]
  • VENUE
    【あいみょん / AIMYON vs TOUR 2019 “ラブ・コール ”】Zepp Osaka Bayside
  • TIME
    開場 / 18:00 開演 / 19:00
  • TICKET
    1Fスタンディング/2F指定席・スタンディング
    ¥5,940(税込・ドリンク代別)


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